日本と世界をより良くするために行動し、新たな価値を想像しているソーシャル・パブリック分野でのリーダーを、G1サミットと東北の復興に取り組む一般財団法人KIBOWが共同して顕彰します。
自社のビジネス領域に関連してソーシャル・パブリックへの活動を積極的に行っている方を「社会事業家部門」において、ご自身の本業としてまさに社会起業家として行動されている方を「社会起業家部門」において、そして、特別に表彰すべき方を「特別賞」として表彰しています。
G1・KIBOW
ソーシャルアワード
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- 2013年
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社会事業家部門 田口 義隆氏[ セイノーホールディングス株式会社 代表取締役社長 ]
「社会更新(Social Version Up)」を使命とし、社会課題を解決するために、志を持つ人々と社会資本家が能動的に協働し、持続可能な価値創造をする場を提供することを目的に、2012年にソーシャルビジネスプラットフォームを立ち上げ、代表理事としてソーシャルビジネスの支援を継続している。新しい価値を創造すべく活動を繰り広げるソーシャル・アントレプレナーと、創造を支援する支援企業を繋げることで、有意義な「協働・コラボレーション」を推進するため、「協働・コラボレーション」が生まれる場として隔月1回、ソーシャル・アントレプレナーと支援企業の方々のマッチングのための「経営者朝会」を開催し、様々なソーシャルインパクトにつなげている。
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社会起業家部門 川口 加奈氏[ 認定NPO法人Homedoor 理事長 ]
2010年に19歳で「ホームレス状態を生み出さない日本の社会構造をつくる」ことをビジョンとしてHomedoorを設立。ホームレス状態から脱出したいと思ったら、誰もが脱出できる「選択肢」がある社会を目指し、昼回り/夜回り、店頭ポスター、WEB広告といった「届ける」チャレンジ、アセスメント、シェルターの提供、他機関との連携といった「選択肢を広げる」チャレンジ、居場所づくり、食堂の実施、健康サポートといった「暮らしを支える」チャレンジ、仕事の提供、一般就労移行、金銭管理サポートといった「働くを支える」チャレンジ、引っ越し・見守り、就労定着、卒業生サポーターといった「再出発に寄り添う」チャレンジに加えて、講演・ワークショップ、路上生活者調査といった「出版」チャレンジという6つのチャレンジで支援を続けている。自転車修理技術を活かしたシェアサイクルHUBchari事業も現在、大阪市内300ポートで展開し、2018年からは個室宿泊施設「アンドセンター」やカフェ「おかえりキッチン」の運営も開始し、現在、年間1000名程度、2022年までに累計4215名の新規相談者の実績を積み上げ、就労・生活支援を提供している。
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特別賞 小林 武史氏[ 音楽家 一般社団法人APバンク 代表理事 ]
2003年に環境問題に取り組む一般社団法人APバンクをMr.Childrenの櫻井和寿氏、音楽家の坂本龍一氏とともに設立、「サステナブル」を大きな指標に据えながら、自然エネルギーや環境保全活動している方々への融資、野外音楽イベントap bank fesの開催、復興支援活動など様々なプロジェクトを立ち上げ、発展的に継続している。また、2006年には「快適で環境に良い未来に向けた暮らし」をコンセプトに、サステナブルな消費や暮らしの在り方を提案していくブランドとしてkurkkuを立ち上げ、レストラン・バー運営や、オーガニックコットンを普及するための取り組み「プレオーガニックコットンプログラム」、千葉県木更津市のサステナブルファーム&パーク「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」などを通じて、これからの時代のサステナブルな消費や暮らしの在り方を提案。現在は、東日本大震災後の復興支援を目的とした芸術祭「Reborn-Art Festival」に力を入れるなど、幅広くサステナブルな社会の実現に向けた総合プロデューサーとして活動を広げている。
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社会事業家部門 山田 邦雄氏[ ロート製薬株式会社 会長 ]
ロート製薬は、健康という視点から社会や環境への価値も独自に創り出していくことで、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた取組みを行ってきた。学校現場において目の健康を学ぶ「ロートアイケアプログラム」、小売業の取引先と共に海外での眼科支援活動をサポートする「ソーシャルパートナー」、海外での無償の白内障手術の実施、眼内レンズの製造といった「見える喜び」に向けた活動や、健康経営の推進、「妊活白書」発行・Women's Health Labの実施、環境に配慮したオフィス・工場と環境に配慮した商品づくりなど、その活動は多岐にわたる。最近では眼底の画像から病気のリスクを算出するサービスの開発に向けた再生医療の共同研究をスタートするなど、「事業の拡大と社会貢献性の両立」をミッションとして掲げてきた山田氏がリードし、自社のビジネスを通じて、サステナブルな社会を目指すための社会貢献活動を幅広く展開している。
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社会起業家部門 今村 久美氏[ 認定NPO法人カタリバ 代表理事 ]
認定NPO法人カタリバを運営する今村久美氏は、新型コロナウイルスの影響で教育格差が拡大し、困窮する子どもたちが増える中、そうした子供たちを支援する事業を積極的に展開してきた。経済的事情を抱える家庭への支援事業のひとつである「キッカケプログラム」では、コロナ禍による一斉休校を機に、生活困窮世帯に対しパソコンや通信設備などを無料で貸し出し、オンライン上で様々な学習プログラムを実施。費用は、昨年6月からクラウドファンディングで募り、8月末には想定の倍以上の約3200万円が集まったという。その後も寄付は続き、同プログラムの受講家庭はのべ約850世帯で、約1千人の子どもが参加している。同プログラムを含め、今年設立20年を迎えたカタリバは、今村氏の「貧困の連鎖を止めるために、最優先されるべきなのは教育支援である」といった理念のもと、不登校児童や被災地の子どもへの支援などを多方面にわたって展開している。
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特別賞 太田 雄貴氏[ 国際フェンシング連盟 副会長/国際オリンピック委員会(IOC)アスリート委員 ]
国際オリンピック委員会(IOC)は本年8月、選手委員会選挙で日本人初の当選を果たしたフェンシングの2008年北京、12年ロンドン両五輪銀メダリスト、太田雄貴氏の就任を正式に決定した。任期は2028年ロサンゼルス五輪までで、規定によりIOC委員を兼ねることになる。太田氏は今年6月まで、日本フェンシング協会の会長を約4年間務め、任期中には、国内大会で選手の心拍数を会場の大型モニターに表示するなど、これまで見えなかった競技の内側を可視化し、大会のエンターテインメント化に取り組んだイノベーターでもある。IOCの運営に課題も多くなる中、オリンピアンの権利や立場を守りつつ、スポーツの価値の向上を図るためにも、太田氏が意見や提言をIOC内で発信する意味は極めて大きく、今後の行動が大いに期待される。
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社会事業家部門 高原 豪久氏[ ユニ・チャーム 代表取締役 社長執行役員 ]
ユニ・チャームは国連の持続可能な開発目標(SDGs)を掲げて、アジア、中東、アフリカなどに暮らす女性の自立支援、衛生改善、地位向上に幅広く努めている。サウジアラビアでは、現地の文化を尊重しながらも女性に就労機会を提供できるよう、2012年、同国に女性専用の工場を設立し、運営を進めている。託児所や救護室、食事・休憩スペースを充実させ、障がいのある人でも働けるラインを整備するなど、働きやすい環境づくりを行い同国の女性の就労支援を行っている。加えて、アジア各国で初潮教育や月経教育のプログラムを展開し、また、低所得層の女性や子供に手ごろな価格かつ高品質な衛生用品を提供するなど、女性の自立を継続的に支援し、活躍の場のさらなる広がりを目指して世界中の女性が、いきいきと生活できるようにするため、それぞれの国や地域の特性に合わせた商品・サービスを提供するとともに、啓発活動や働く場の創造を進めている。
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社会起業家部門 杉山 文野氏[ 特定非営利活動法人東京レインボープライド 共同代表理事 ]
杉山氏は、日本最大のLGBTプライドパレードである特定非営利活動法人「東京レインボープライド」共同代表理事を務め、各地での講演やメディア出演などトランスジェンダーのアクティビストとして活躍する。日本初となる渋谷区・同性パートナーシップ証明書発行に携わり、福岡市の同姓カップル認証制度導入にも尽力した。杉山氏が共同代表を務める東京レインボープライドが毎年ゴールデンウィークに開催し、昨年は過去最高の20万人を動員した「東京レインボープライド」も、新型コロナの影響により今年はオンライン開催となったが、「#おうちでプライド」を付けてSNSで多くの人が参加し、コロナ禍においてもインクルーシブ社会に関する運動を盛り上げている。
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特別賞 有森 裕子氏[ アニモ 元女子マラソン選手 ]
スポーツを通して知的障害のある人々の社会参加を応援する「スペシャルオリンピックス日本」の代表を務める有森氏は、スポーツを通して知的障害のある人が自立と社会参加を果たし、健康で豊かな生活を知的障害のない人とともに送ることを目的とし、知的障害のある人たちに継続的にスポーツトレーニングをする機会をつくり、その発表の場として競技会を提供、全国大会、4年に一度の夏季/冬季の世界大会へと、彼らの舞台を広げる活動を推進している。「障害の有無に関わらず、多様性を尊重する社会を目指す」というメッセージを発信し続けるスペシャルオリンピックスは世界170カ国以上で、450万人のアスリート(知的障害のある競技者)と100万人のボランティアが参加する国際的なムーブメントに発展。コロナ禍において大会の中止が余儀なくされる中でも、「Be with all」というスローガンを新たに掲げ、「みなが輝き、誰ひとりも取り残されない社会」を目指し、知的障害のある人たちへの相互理解と社会参加の拡大に努めている。
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社会事業家部門 鳥井 信宏氏[ サントリーホールディングス株式会社代表取締役副社長 ]
サントリーグループは、グローバルに成長する総合酒類食品企業として、持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けるため、また、企業理念「人と自然と響きあう」の実現に向けて、グループ全体でCSR活動に取り組んでいる。 同グループは大学などの専門機関と連携して全国19カ所、9,000ヘクタール規模で水を育む森づくりのための「天然水の森」活動を展開、自然の大切さを新しい世代へとつなぐ次世代環境教育「水育(みずいく)」など、未来にも目を向けた活動も行っている。加えて、環境負荷低減を目指した容器包装を取り入れ、2013年5月から、植物由来原料を30%使用した11.3gの国産最軽量ペットボトルを導入し、これにより、従来品とくらべて石油由来原料の使用量を550mlペットボトル1本あたり約4割削減するなどの成果も出している。 グローバルでも、国内で培ってきた「水のサステナビリティ」の考えや活動をグローバルに実践していくため、2017年にグループ共通の基本理念として『水理念』を制定。環境経営により明確な方向性を与えるため、「環境ビジョン2050」を改定するとともに、新たな「2030年目標」を設定。「水のサステナビリティ」「気候変動対策」を2つの柱に、持続可能な地球環境を次代に引き渡すことを目的に意欲的な目標を掲げている。 中でも「水」については、2050年に全世界の自社工場での水使用を半減させることを目標に掲げ、水使用を抑えたものづくりの推進を強化している。 また、次世代に豊かな自然を引き継ぐことの大切さを社会と共有するため、水に関する啓発プログラムをより積極的に展開していくと同時に、国際的な行動目標になっている「水アクセス」をはじめとする地域の課題にも取り組みを拡大していくことで、持続可能な豊かな社会の実現に貢献することを目指している。 こうした企業としての姿勢を評価して本アワードを贈るものである。
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社会起業家部門 北川 フラム氏[ アートディレクター ]
アートディレクターとして長年にわたり「瀬戸内国際芸術祭」や「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ」の総合ディレクターを務めるなど、国内外で多数の美術展、企画展、芸術祭を手掛け、地域の活性化と文化振興に貢献。地域創生に至るアートプロジェクトという前人未到の領域で第一人者として活躍している等の功績により、平成30年度には、国の文化功労者としても顕彰された。加えて、瀬戸内国際芸術祭の総合ディレクターを務め、地域芸術祭の先進モデルを築き上げ、地方創生に貢献したことなどが評価され、県外出身者として初めて香川県の知事表彰(特別功労)も授与されるなど、アートを通じた地域の再生等にインパクトを与える姿勢を評価して本アワードを贈るものである。
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特別賞 久能 祐子氏[ S&R財団理事長 ]
2000年S&R財団を設立、2014年には「ハルシオン・インキュベーター」を創設し、社会起業家、科学者やアーティストの支援に力を入れている。 「S&R財団」は、若手社会起業家、科学者やアーティストに対する多面的な支援を行う。個人に対する賞だけではなく、もっと大きなプロジェクトを立ち上げるため、若手支援の「エコシステム」構築から着手。ワシントンのジョージタウンにある歴史的建造物に着目しレジデンス型の「インキュベーター」作りのために19世紀建築の邸宅「エバーメイ」、築18世紀の「ハルシオン・ハウス」を購入し、改造を施し、社会起業を支援する「ハルシオン・インキュベーター」をオープンし、ソーシャル・インパクト・モデル(収益および社会的インパクト両方を達成する)の起業家への支援を続けている。 また、2017年1月にハルシオンは公益財団となり、資金調達の道も広げ、新たなプロジェクトとして、ジョージタウンに「フィルモア・スクール」という歴史的建造物を購入。「ハルシオン・アーツ・ラボ」として、若き芸術家たちのための「インキュベーター」作りも進めている。 こうした姿勢を評価して本アワードを贈るものである。
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社会事業家部門 魚谷 雅彦氏[ 株式会社資生堂代表取締役執行役員社長 ]
資生堂グループは社会課題・環境問題の解決と、事業の成長拡大の両立をめざす成長戦略としてサステナビリティ戦略を位置づけ、100 年先も社会とともに持続的に成長し、世界中のステークホルダーから支持され、必要とされるグローバルビューティーカンパニーとなることをめざしている。「美しい生活文化の創造」という企業使命のもと、社会と企業との持続的な成長を図り、世界の社会課題・環境問題、「SDGs」「ESG」に積極的に取り組み、長期的に健全な社会を形成しつつ、自社の持続的成長を進めている。
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社会起業家部門 米良 はるか氏[ READYFOR株式会社代表取締役 CEO ]
米良氏は、2011年3月日本初のクラウドファンディングサービスREADYFORの立ち上げ、国内最大のサービスへと成長させた。氏が運営するREADYFORは社会をよりよくしようとする実行者と、その想いに共感する支援者を支えるコミュニティとして、このコミュニティに関わる人すべてがサービスを快適に利用できるようできるよう尽くし、このサービスから始まる共感の輪が、より多くの人々に届くようにあらゆる努力を惜しまず、「誰もが夢を実現できる社会」の実現のために、NPOやクリエイターに対してネット上で資金調達を可能にする仕組みを提供している。2011年3月のサービス開始時から2017年9月までに、READYFORの審査を通過し掲載されたプロジェクトは7,100件以上に登り、多くの志を持つ人に対して、やりたいことを実現するサポートを行っている。近年は自治体や金融機関との連携も広げ、地方創生、地域活性化にも貢献している。
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特別賞 髙橋 則広氏[ 年金積立金管理運用独立行政法人理事長 ]
GPIF は「ユニバーサル・オーナー」として、国内株式を対象にして「ESG 指数」を採用し、同指数に連動したパッシブ運用を開始するとともに、投資原則を改めて株式にとどまらず債券など全ての資産でESG の要素を考慮した投資を進めるなど、ESG 投資の普及に注力している。また、指数会社がESG の観点から設けた基準に沿って評価が高かった銘柄を組み入れる「ポジティブ・スクリーニング」を採用、指数会社に組入銘柄の採用基準を公開するよう要請し、それが企業側の情報開示を促し、ひいては日本の株式市場全体の価値向上につながるような底上げ効果を生み出すよう取り組みを進めている。
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社会事業家部門 福武 總一郎氏
ベネッセホールディングスは、30数年に渡り国立公園の第一号に指定された瀬戸内の島々の中で、製錬所の亜硫酸ガスや産業廃棄物の不法投棄、過疎で痛めつけられた直島・犬島・豊島を、その自然や素晴らしい建築そしてその特性を生かした現代美術によってその場所固有の空間をつくり出し世界から評価される場所を公益財団法人 福武財団とともに創っています。中心的な直島には年間70万人(2016年)超えるゲストが世界中から訪れるエリアとなりました。これらの活動は2010年から始まった「瀬戸内国際芸術祭」の開催につながり、現在では12の島の人々を元気にし、現代美術を使った地域再生の手法は「直島メソッド」として海外でも紹介されています。このように現代アートとそれを包含する場である地域がともに成長し続ける関係を築いてきた功績は非常に大きいものと考えます。
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社会起業家部門 村田 早耶香氏
村田早耶香氏は、大学在学中の2001年、東南アジア訪問時に子どもが売られる問題の深刻さを知り、2002年20歳の時にかものはしプロジェクトを創業しました。かものはしプロジェクトでは、10歳未満の子どもまでもが被害にあっていたカンボジアで、子どもが売られる問題を防止するため、職業訓練と雇用により家庭の収入を向上させる雑貨工房を運営し、加害者を取り締まるための警察訓練の支援も行ってきました。またインドにも活動の幅を広げ、現地NGOと共に、被害にあった方達が人生を取り戻す支援と子どもが売られない社会の仕組み作りの支援をしています。このような人身売買の防止や被害者への支援を行ってきた功績は非常に大きいものと考えます。これらの活動を称え、社会起業家部門賞を授与します。
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特別賞 川淵 三郎氏
川淵三郎氏は、日本サッカーリーグ(JSL)の総務主事としてサッカーのプロ化をけん引し、1991年に日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の初代チェアマンに就任しました。2002年のFIFAワールドカップ日韓大会後に日本サッカー協会の第10代会長に就いてからも、日本サッカーの発展とサッカーを通じた地域スポーツ振興、国際交流に力を注ぎ、日本に「スポーツ文化」を根付かせました。また、2015年には、二つのプロリーグの並立によって国際大会への出場が停止されていたバスケットボール界を改革し、プロリーグ「Bリーグ」を創設しました。このようにスポーツ界全体の発展に寄与した功績は非常に大きく、これらの活動を称え、特別賞を授与します。
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社会事業家部門 山内 雅喜氏[ ヤマトホールディングス株式会社 代表取締役社長 ]
ヤマトグループは東日本大震災において、店舗や車両、そしてスタッフの人命を失う未曽有の被害を受ける中、社員が自主的に、全国から集まった支援物資を避難所へ運送し続けました。さらに、グループ全社を挙げて10日間という短期間で被災地の物流網を回復。被災した方々の避難先を丁寧に探し、物資を送り届け、物流から復興の下支えを行いました。また、宅急便1個につき10円の寄付を募り、142億円もの寄付を実施しました。物を運ぶことに留まらず、人の心を送り届け、つなぐ役割を果たした功績は非常に大きいものと考えます。
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社会起業家部門 藤沢 烈氏[ 一般社団法人RCF 代表理事 ]
藤沢烈氏は震災復興の現場で、行政、企業、NPO、市民の様々なプレイヤーが固有の背景を持つ中で、「復興コーディネーター」として、地域の課題の解決に向けた調整役を担っています。現場のニーズを把握しながら、行政や企業の担当者と丁寧な議論を通じて、未来に向かって最も効果的な寄付の使い道を構築するなど、地域に根差した復興支援を展開しています。震災から5年が経ち、寄付や支援活動が様々な成果につながり、東北の復興を後押ししています。調整役に徹し、復興を推進してきた功績を称えます。
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特別賞 Fukase氏[ SEKAI NO OWARI ]
「SEKAI NO OWARI」のボーカルFukase氏。東日本大震災では、現地ボランティア参加やTOKYO FMと共同で復興支援リストバンド「STAY STRONG」を製作し、2016年現在までに2500万円を超える寄付を実施。2014年から、ホームページを通じて知った孤児院の活動に強い興味を持ったことをきっかけに、NPO法人礎の石孤児院をサポート。SNSで支援内容の発信や、ライブでは支援ブースを設置して孤児院の活動を伝えるなどの支援を展開しています。加えて、熊本地震直後には現地へ赴き、瓦礫撤去や炊き出しなどのボランティアに協力、また現在進行中のツアーにて熊本地震支援の募金箱を設置し募金を呼びかけるなど、積極的に社会貢献活動に取り組んでいます。これらの活動を称え、特別賞を授与します。
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社会事業家賞 磯崎 功典氏
キリングループは2011年3月の震災で仙台工場が浸水するなど大きな被害を受ける中、地域に密着した復興への取組を推進してこられました。2011年7月に3年間で60億円拠出することを決定、売り上げや従業員の寄付を原資に農業機械の購入支援や販路拡大、人材育成、農業関連高校生への就学支援等での農業再生の取り組みや、岩手のわかめ、宮城のかき、福島の青のりを中心とした養殖設備の復旧とブランド育成等での水産業再生の取り組みを進めておられます。G1サミット発のイニシアティブ「東の食の会」が主催する三陸フィッシャーマンズ・キャンプを支援されるなど、東北の「食」を支える取り組みを担われています。震災復興以外でも、サッカーを中心にスポーツを通じたスポーツや文化の普及につとめられるなど、社会的な貢献は顕著です。
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社会起業家賞 佐藤 大吾氏
佐藤大吾氏は96年の起業以来、事業を通じて学生の企業や官公庁へのインターンシップを日本に根付かせる一方、98年に設立したNPO「ドットジェイピー」では議員事務所へインターン生をのべ1万8千人以上送り込み、40名を超える政治家を生み出し、さらにはネット選挙の実現や投票率向上に向けた様々なキャンペーンを実施するなど、一貫して若者のキャリア形成や、若者と社会をつなぐ取り組みをリードしてこられました。これらの経験をもとに、新たな挑戦として2010年3月、英国発1200億円を集める世界最大級の寄付仲介サイト「JapanGiving」の日本版を立ち上げ、 日本における寄付文化創造、NPOの手による強くてしなやかな社会基盤の確立に取り組んでおられます。内閣府政策調査員(新しい公共円卓会議担当)をはじめとする政府の要職も務め、日本のNPO界の第一人者としてますますのご活躍が期待されています。
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特別賞 ジョン・V・ルース氏[ 在日アメリカ軍 ]
2011年3月11日の震災では米軍と自衛隊は「トモダチ作戦」を通じて東北地方への緊急人道救援活動で協力し、ヘリコプターによる孤立した被災者の救助や、揚陸艇による孤立した島への救援物資の輸送などの、迅速で強力な活動を展開、その姿は被災地のみならず日本全国を勇気づけました。TOMODACHIイニシアチブは、この時の経験をもとに米日カウンシル-ジャパンと米国大使館が主導をし、国内の数多くの企業の支援のもと、日米の絆をさらに強め次世代を担う人材の育成を目的に、教育、文化交流、リーダーシップをテーマとした、被災地の高校生の米国への留学などを支援しています。震災の記憶を風化させず、国を超えて共に支えあう精神を未来へとつなぎ、世界の平和に貢献する取り組みの意義を参加者とともに確認し、讃えるため、特別賞を授与します。
ジョン・V・ルース 氏ローラ・アボット 氏コーリー・メンデンホール 氏
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社会事業家部門 一力 雅彦氏[ 株式会社河北新報社 代表取締役社長 ]
東北を代表する地方新聞である「河北新報」は、2011年の東日本大震災において津波で販売店員が犠牲となり支局が流失するなどの甚大な被害を受けながらも、1日も休むことなく新聞を発行し続け被災者を勇気づけました。
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社会起業家部門 宮城 治男氏[ 特定非営利活動法人ETIC. 代表理事 ]
大学在学中の1993年、ETIC.設立以来、若い世代の起業家型リーダーの育成に力を尽くしてこられこれまで150名を超す起業家を輩出。2011年からは震災復興として現地の100のプロジェクトに若いリーダーを送り、コミュニティ再生に取り組んでいます。
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特別賞 安倍 昭恵氏[ 安倍晋三内閣総理大臣 夫人 ]
総理大臣夫人という立場にありながら、被災地をはじめとする地域の中に積極的に入り膝づめで話をされ、思いを率直に語られ、そして具体的な行動に移されているお姿はこれまでのファーストレディの印象を一新。多くの国民に勇気を与えていらっしゃいます。
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大西 健丞氏[ 公益社団法人CIVIC FORCE 代表理事 ]
モンゴル、インドネシア、アフガニスタンをはじめとする国内外の紛争地域、自然災害地域において人道支援活動を行い、2011年の東日本大震災では公益社団法人シビックフォースとして600社、5万人のネットワークを構築、被災地支援を実施されました。